資源の減少、日本全体の漁獲量は減少傾向にあること、また漁業志願者が減り高齢化から今後の漁業の行方が心配されている。
宮崎の漁業でも同じようにその問題を抱えていた。
そのような問題を打破するため町が動いたのは、地下海水を利用した陸上養殖計画であった。
相談を受け、リスクや可能性についてお話をさせていただき、協議の上乗り込むこととなった。
町では将来像を築き上げるためにも成功させることが責務となっていた。
ただ地盤としては段丘状の扇状地性堆積物からなり、大半が粘性質の高いローム層(難透水層主体)で構成されていることから難易度の高い地下海水開発となった。
機械と工法の特性を最大限に活かし精度を高めた施工を行った。
4ヶ所のボーリングでは掘削位置、掘削深さ等綿密に的を絞り込み、地下海水脈を求めた。
現場から朗報が届いた。
「地下海水を掘り当てた」という連絡であった。
水量的にも水質的にも申し分のない結果であった。
もちろん想定して臨んだことだが、実際に湧き出す地下海水を目の当たりにするとこの上ない喜びに浸る。
地下海水が利用できるということは、多くの難しい問題を可能にする。
ここからの次なるステップは飼育する環境を整えていくことから、長期試験等、慎重に計画を行い魚介類の養殖プランを立てていく。
ちなみにボーリング1ヶ所からは綺麗な淡水が湧き出した。
とてもクリアな自噴地下水であった。
町では、この地下水も利用し淡水での養殖魚、または塩淡水両方の視点からの特殊な陸上養殖も視野に入れていくと言う。
地下海水養殖ブランドとして明るい展望に進んでいくことに期待をする。