静岡県焼津市でSTマイクロパイルの施工を行った。
目的は既設の橋の補強であるが、見た目にもかなり老朽化の進んだ橋であった。
これまで長きに渡って集落同士をつなぎ、また憩いの懸け橋として流域住民に無くてはならない生活の橋であった。
しかし時代と共にアクセスも向上し、その橋の重要性は過去ほどでは無くなり、世の中の進歩と共に歩んできたその橋の存在は地域住民の愛着となっていたのであろう。
素朴で独特な造りをしたこの橋の補強を行うには、やはり我々のSTマイクロパイルが一番マッチしていた。
まずは河川を塞き止めずに施工を行うための造成が行われた。
小規模な河川でもコンパクトなSTマイクロパイルであればこのような条件での施工が可能となる。
また、空頭制限下においても高強度の杭を施工出来るのがこの工法の特徴であり、ハンドリング性に優れたソイルメック製ボーリングマシンSM103が使用された。
特に地層は複雑であったが、工法の特殊性と作業員の技術が活かされ、工事は順調に進んだ。
ただし、この現場の一番の問題点は、河川の増水であった。
この川は雨が降ると一気に増水し、現場が水没してしまうのだ。
天気予報を頼りに施工を行ったが、機材一式を一時的に撤去するなどということも度々あった。
そのようなことも逆に言えばこの工法だからこそ成し得れる業であり、あらゆる条件にも柔軟な対応が出来ることの象徴と言える。
こうして橋は守られ、古くて補修が困難と思われる橋でも十分に手立ては有ると言う事を認識していただいた。
我々の技術が活かされ今後もこの橋は地域の憩いの懸け橋としてずっと使われて行く。