鳥取市河原町和奈見という場所で、個人住宅新築に伴う井戸工事を行った。
山すその長閑な場所に家は建てられた。
知る人ぞ知る日本一小さな美術館「英辰堂」のある村だ。
井戸はφ50仕上げということで、地質調査などでも使うボーリングマシンを使用した。
硬質玉石等もあったが順調に掘り進み、20mで井戸を仕上げた。
掘削中透水個所がいくつか確認されたのでそれなりの湧出水量を期待した。
しかし思ったほど水量は出ず、コンプレッサーでフラッシング等も行ったが水量が増えることは無かった・・・。
施主と相談をし、別の場所にもっと深い井戸を掘ることとなった。
深井戸となると自吸式ポンプ(陸上吸い上げ型ポンプ)では、揚水不能となることが懸念されたので、井戸径をサイズアップし深井戸水中ポンプが使える仕様で施工を行った。
工法はダウンザホールハンマー工法(DTH工法)
エアーを駆動元とするDTH工法は力技の工法で、場所により制限が出る場合もあるが、工期の短縮と地下水の存在をより確かなものにするため、次の打つ手はこの工法でいく以外無いと考えた。
乗り込み後、僅かな期間で40m掘り進み、見事水脈にも当たり井戸を完成させることが出来た。
時期を置いて、建家と外構工事が概ね出来上がった頃、ポンプ設置工事に取り掛かった。
井戸内に水中ポンプを挿入し、ポンプユニットは敷地の隅に設置した。
電気も繋がり、井戸が使える状態となった。
水中ポンプはやはりとても静かだ。
蛇口をひねると 地下水がクリスタルガラスのように輝いた。
特にここではインバータータイプのポンプが使用されたので、電力もお得となっている。
今後、融雪、冷却、洗浄、飲料、etc・・色々な活用が期待される。
新築された家だが、とてもお洒落で施主のこだわりと、デザイナーのセンスが上手にコラボされてる感じが伝わる。
壁も炭の板が使用されている。 炭は多孔質なので家へのあらゆる効果も期待できそうだ。
これから秋も深まり、紅葉の時期になると一層景色と調和することでしょう。
秋空の下、庭で井戸水割りのバーボンなど、是非お勧めな感じだ。
この家を造った人→ 中嶋建築計画室