今年も、さく井協会主催による防災井戸設置イベントが開催された。
場所は米子市皆生にあるプレイパークで行われた。
日本のトライアスロン発祥地、皆生トライアスロンのメイン会場でもある場所だ。
翌日14日(日)の記念式典に向け急ピッチで井戸施工作業を進めた。
井戸掘削方法も色々あるが、ここでは人力によるスイコ掘りとボーリングマシンによるロータリー工法で施工が行われた。
ロータリー工法↓
スイコ掘り↓
ここら一体は砂地盤で比較的浅くして地下水が湧出することから人力作業のスイコ掘りが威力を発揮した。
井戸は無事その日のうちに完成し、明日の記念式典以降 あらゆることに活用されることとなる。
翌日開会式後、会場ではトイポップ今出さんによるペットボトル遊びのイベントが行われた。
ペットボトルに水と空気を入れて飛ばす遊びであったが、大人でも十分楽しめ、本気でやれば100mくらい飛ぶそうだ。
ペットボトル、水、空気入れがあれば、広い公園などで誰でも楽しむことが出来る。
ペットボトル遊びのあとは、井戸掘削体験のコーナーも設けた。
スイコ掘りを一般の方や子供達に体験してもらった。
地下の神秘を実際肌で感じる子供達の様子は見ててとても心地が良い。
将来の有望なボーリングオペレーターか!などの声も飛び交った。
ところが
仕上げ作業に差し掛かった時である・・・
掘削の道具が途中から折れ、孔の中に落ちてしまった・・・。
子供達は勿論のこと、その場に居た全員が凍り付いた・・・。
落ちた道具を拾うか、新たに掘り直すかの選択肢に迫られたが、拾うことに決め、採取する工具もその場で拵えた。
採取作業では、周りの皆が息を呑み、チリの落盤事故を思わせる空気が漂っていた・・・。
尋常ではないこの状況を、採取を試みる職人の額の汗が物語っていた。
半ば諦めかけ、次の手段か・・・と思っていた時・・・ 「きた!」 と言う声と共に職人の顔が確かな表情に変わった。
慎重にゆっくり孔から引き上げられた道具が地表に出てきた瞬間、場内では喜びの大歓声が湧き上がった!
その後何とか井戸は仕上がり、テストポンプによる汲み上げ試験が行われた。
苦労の末の歓喜の瞬間である。
我々も、皆さんに井戸水が出るまでの苦難を伝えることが出来たことに、とても有意義な気持ちとなった。
辺りが水浸しになっても全員飽きる事無く湧出する地下水を眺め続けていた。
さく井協会からプレイパークへの井戸寄贈式も行われた。
今後この井戸がどのように活用されるかとても楽しみだ。