STマイクロパイル

12月に入り工事量が多くなってきている。 特にSTマイクロパイルの現場が目立ち始めた。

STマイクロパイルとは、STRONG-TUBFIX MICROPILESの略で、制約条件下での施工を対象とした小口径の杭工法である。 元々マイクロパイルとは杭径300mm以下の場所打ち杭の総称であるが、石造りの寺院、教会等の歴史的構造物の基礎の補強などから生まれた技術であり、1950年頃にイタリアで開発され、ヨーロッパに広まった後、世界各地で用いられるようになった。  ピサの斜塔もこの工法で補強されている。

下の写真は三重県四日市市において現在着工中であるが、既設水管橋の橋台の補強杭としてSTマイクロパイルが採用されている現場である。

河川敷などでは硬質な玉石などが多く点在し障害物となる為、このSTマイクロパイルが更に有効な工法となる。

あのチリの落盤事故の作業員救出ボーリングで威力を発揮した工法のダウンザホールハンマーシステムで杭を打ち込む。

他にも杭打ち工の種類は色々あるが、障害物を確実にスピーディーに砕いて杭を設置できるのが、このSTマイクロパイルの最大の特徴であると言える。

次の写真は岡山県岡山市で新設及び既設橋の橋台補強杭としてSTマイクロパイルが採用されている現場である。  ここも現在着工中だ。

高さ制限や幅員制限の有る現場でもSTマイクロパイル工法は柔軟に対応出来るため、狭隘箇所の既設構造物の補強等にも有効活用の出来る工法である。

今の時代は、やはり新設のものより既設のものを補強して使う時代である。 建物が建っている隙間に入って施工の出来る工法が今後有力になるものと感じている。耐震補強が当たり前に重要とされる中、STマイクロパイルは今のニーズに合ったこれからの工法であると言える。

年度末にかけては毎年忙しいものであるが、暇な時期は必ず来る・・・それぞれの現場を円滑に回し、控える工事を確実にこなして行かなければならない。 スタッフが一丸となり良い仕事をこなし、年度末を乗り越え、この不況を乗り越えていかなければならない。