消雪用井戸工事

兵庫県で施工中の消雪井戸工事現場をご紹介したい。

鳥取と比較すると兵庫県は明らかに消雪装置の完備が行き届いている。

現在施工中の現場も、井戸の老朽化に伴う新設井戸工事だが、井戸というものは設置後数十年、もしくはそれ以上長持ちするものである。それを考えても兵庫県の消雪装置の歴史がいかに深いかがよく分かる。  古くから公共の井戸が地域の役立つものとして身近に利用されているのだ。

現場は農道で狭いが、φ400mmの比較的大口径で掘らなければならないため、大型のボーリングマシンで施工を行った。

冬は掘削に使うポンプ等の機械が凍ることもあるので、毎日終業時はポンプ等の水抜きも欠かせない仕事となり、雪が積もれば除雪作業で一日潰してしまうこともある・・・。  この時期、年度末というのは工事発注は多くなるが、施工の効率ははるかに落ちてしまう・・・とても苦しい現状である・・・。

しかし大雪の中でも我々は地域のために、延いては家族のためにも立ち向かって行なければならないのである・・・。

掘削作業完了後は、掘った孔に井戸パイプを挿入する。

中に入れるパイプはφ250mmで樹脂製のものだ。

深さ約40mの掘削孔も綺麗に開いており、仕上げの井戸パイプもスムーズに納まった。

このパイプが入らなければ全てが前に進まない・・・孔が崩壊してパイプが入らない場合もある・・・ 崩壊を食い止めるのは至難の技である。

井戸パイプ挿入作業の緊張の空気が、写真に写る当社イケメンスタッフ富山のカメラ目線からもうかがえる。

挿入完了後はしっかり孔内洗浄を行い不純物を取り除く。

そして洗浄後はいよいよ水中ポンプによる汲み上げだ。

写真を見ても分かるように見事な地下水の湧出量である。

この水量で大よそ毎分2トン(2000リットル/分)だ。1分間にドラム缶10本分も溜める事のできる水量である。 しかもこれだけの量を汲んでも水位はGL-6.0m付近にあるので、この井戸にとってはまだまだ余裕綽々の水量である。

なんと言ってもこの水を見る瞬間はたまらないものだ。 オペレーターのベテラン森田をはじめ、いけめん山根和やその他スタッフの今までの苦労を綺麗に洗い流してくれる瞬間である。

この汲み上げ試験(揚水試験)を行い、井戸能力を把握した後、ポンプを撤去して施工は完了となる。

そして我々は新たに依頼を受けた工事へとまた挑むのである。

地下にはこのように限りない地下資源が眠っていることを皆さまにもっと知ってもらい、我々の技術が世の中にどんどん役立ってくれることを願っている。