夏はやはり井戸

暑くなるとますます井戸の良さを実感する。

このうだるような暑さの中、井戸水を汲むと氷水のように冷たくて体にかけても1分ともたないくらいの冷たさである・・・

飼育魚の水換えをしたら水槽には結露が付き、いくら拭いても数時間は結露で観賞できないくらいの温度差である。

先日鳥取市内で工場新築に伴った井戸工事を行った。

しかしその現場周辺では井戸を掘った実績も無く、どのような地下水が出るのかとても不安であった・・・。

施工中は地層を入念にチェックしながら作業を進めた。

意外と浅くから地下水は湧き出したのだが水質はいまひとつであった・・・。

契約の30mまでで何箇所かの水脈はあったが出る水は鉄分が多く、使うと周辺が赤く染まってしまう いわゆるカナケ水であるため、更に地下50mまで掘り進むこととなった。

工法はダウンザホールハンマーで施行を行い、固い岩盤を順調に掘り進むことが出来た。

そして現場から一本の連絡が入った・・・

「50m付近で良さそうな水脈に当たった!」

急いで現場に行き再確認を行ったが、確かに水質は良くなっていた。

掘削は完了とし、50m付近からのみ地下水を取水する井戸仕上げを行った。

下記図面に記す。

結果は完ぺきであった。

想像以上に水質は良く、昔から住む近所の御年輩の方達も驚きの声を発せられていた。

伏流水など、浅井戸として土砂等に浸透する地下水は比較的出易いのだが、岩盤の亀裂に流れる地下水を取水するとなるとかなり難易度は増してくる。

地球は基本的に岩盤で出来ており、岩盤の表面が土砂で盛られていると言う感じである。 その岩盤の亀裂に流れる地下水は岩の成分を豊富に含む地域ごとの特徴ある地下水なのである。

したがってこのような実績がデーターとなり、地域ごとの深井戸を掘る場合の目安となるのである。

しかし、当社も現会長の代から今までに相当の実績を積んできたが、地下の構造は人知でははかり知れない霊妙な秘密があり、そこが難しさでもあり、この商売の醍醐味でもあると言える。

お宅の敷地の下にも名水が眠っている可能性は十分にあるのである。